日本の山と住まいをつくる

杉と桧と住まいをつくる

日本の山と住まいをつくる

納入事例

コンセプト

愛知県東海市の新旧の住宅が織り交ざった住宅地にある旗竿敷地に建つ木の住まいです。住まい手が寺社建築の佇まいがお好みだということもあったので、建物はお堂のように正形で、方形のシンプルな屋根を乗せた飾り気のないプロポーションとなっています。

平面的な構成は四隅の4帖半が基準グリッドとなっているので一見窮屈そうですが、それぞれの空間のつながりや視線の距離にメリハリをつけたり、外部への抜けとなる開口部を効果的に配置することによって面積以上の広がりを感じさせる空間となっています。
4帖半という日本人にとって馴染み深い、それでいて近年は「狭い」と思われがちな空間の親しみやすさ、落ち着きを改めて再認識することができる空間構成となっています。

スタジオの提案する木の住まいは「真壁の木の住まい」です。仕上げ材だけでなく家の骨組みとなっている構造材もほぼ全てが現し・化粧材となっています。「加木屋の家」の木材も熊野まで足を運び、一本一本表情・肌を見て木配りしてあります。手間暇かけて育てられた樹だからこそ、つくり手も一手間、二手間かけて家づくりをすることで、住まい手が愛着を持ち、心落ち着く住まいになるのだと思っています。(神谷建築スタジオ / 神谷義彦)

住まい手の声

家を建てるにあたって、夫婦共々「木の家に住みたいね」というのがありました。実際、杉の無垢材でできた家に住み始めてみたら、まず、最初の頃は毎日帰宅する度に杉のいい香りが感じられて、毎日温泉宿にでも来ているかのようでした。さすがに4年も経つと鼻が慣れてしまって感じなくなりましたが、来客があると「いい香りだね〜」と言ってもらえます。

床は、ぜひ裸足で!とおすすめしたくなる質感です。夏はヒンヤリ、冬は暖かく、自然の温もりです。子どもたちがはいずり回っていても気になりません。年数が経つとお寺の床のように木目が浮き上がってくるそうで、その変化も楽しみに暮らしています。

木の家は、質感からも雰囲気からも自然の温かみを感じられるので、とても心地よい暮らしを送ることができています。木の家を選択して本当によかったと思います。

木材仕様

構造材・端柄材

杉 桧

造作材

杉  源平上小、桧 上小

階段材

杉  源平上小

造作家具用材

杉  桧 のじもくまのパネル

床板

[1階]杉  源平ム・上 巾150㎜×厚30㎜ 

[2階]杉  源平生節(埋木)巾150㎜×厚15㎜

軒天材

杉 赤生節(埋木) 巾120㎜×厚15㎜

外壁材

杉 赤生節(埋木) 巾120㎜×厚15㎜

鏡板

桧 ム・上 巾105㎜×厚15㎜

木塀

杉 源平生節(埋木) 巾120㎜×厚15㎜

構造材は現しとなる材がとても多く、設計の神谷さんと一本一本木配りしました。

同じ空間には同じような色合いの材を。メインとなるところには節の少ないきれいな材を選別。一日がかりの作業で時間はかかりましたが、お家の出来上がりは、木配りをするのとしないのとではきっと違ってくると、完成されたお家を見学させていただき感じました。
作り手の思いのあたたかさと木の温もりがたっぷりと詰まったお住まい。節や色など、個体差のある無垢材に統一感を持たせる、木材の適材適所の使われ方もとても勉強になりました。

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