日本の山と住まいをつくる

杉と桧と住まいをつくる

日本の山と住まいをつくる

納入事例

コンセプト

新潟県長岡市。日本海から押し寄せる雲が、夏は湿度をもたらし、冬は雪を降り積もらせていく。ここでは、積雪に耐えうる構造かつ屋根の形が求められており、また冬の日射が少ない環境の中、断熱性能も求められている。

 

はじめに敷地を訪れた際、周辺を歩き廻る中で、この地域では外壁に板が貼られる家が多く残っていることを知った。湿度と積雪がその街並みを形成しているのであろう。また、冬の外部での限られた作業時間を考え、野地さんの工場で塗装された桧材を外壁に貼ることにした。

 

一方、内部においては積雪荷重2.5mで耐震等級3をクリアするためのシンプルな架構を現すとともに、壁や天井は杉板(源平)の横貼りとして、120mmの板幅と枠廻りや家具の高さを合わせることで、空間に規律と閑けさをもたらしている。また断熱性能を上げたことで(断熱等級 6.5)、一階 居間の床下エアコンのみで家中が暖かくなるが、杉材の蓄熱性が、家中に温熱環境の均一性と快適性をもたらしている。暖かみのある杉板の壁に、体を寄り掛かることもでき、部屋の隅々まで居場所になるのも板貼りの家の良さでもある。

 

山から製材、そして現場へ。大工の手から住まい手へ。木の文化が、ひとすじの道でつながった家である。

以下、参考
外気温 4℃ / 雪・日射なし / 床下エアコン 20℃設定 → 室温21℃ / 壁の表面温度 1階2階とも24〜25℃
(丸山弾-スタジオ/丸山弾)

 

 

住まい手の声、暮らしの感想

こわいもの知らずで丸山さんにDMをお送りしたことで、住まいのグレードが想像以上のものになり、恐縮しています。お願いしたのはなるべく壁もドアもない、豊かな空間でした。丸山さんのつくられる空間は、著書を拝見しただけでも静謐さがあり感覚的に心地良いと感じるものでした。間取りは夫婦での作業場が欲しく、土間仕上げの空間をお願いしました。そこにキッチンを組み合わせること、また唯一の動線と言ってもいいアトリエへの入り口は、何気にお気に入りポイントです。

 

そしてのじもく酒場を観ていたことで話が広がり、素材のご協力をいただけることになりました。ここまで贅沢な素材使いは想定していなく、本当に感謝しかありません。
ドアを開けると木の香りがスーと入ってきて、家中どこにいても森林浴をしている感覚です。またいろいろな住宅をつくられてきた丸山さんからも聞かれた、内装も木だからどこに寄りかかっても気持ち良いというのは本当にその通りで、とても贅沢なことだと思います。

 

意匠と機能が両立した、シンプルで素晴らしい箱です!

木材仕様

床材

桧 ム・上 フローリング 巾150㎜×厚15㎜

天井板・壁板

杉 羽目板 源平ム・上 巾120㎜×厚12㎜

 

造作材

杉 源平上小

 

 

構造材

杉 化粧梁 化粧特一 巾210㎜×厚120㎜
杉 化粧柱 3ムジ裏上小 巾120㎜×厚120㎜
 

外壁材

桧 外壁材 生節(埋木) 巾100㎜×厚15㎜ オスモ塗装
桧 外壁出隅 2上小 巾48㎜×厚48㎜ オスモ塗装


外壁材やフローリング、羽目板や造作材、化粧梁・柱まで。nojimokuの材料をふんだんに使っていただいたお住まい。

 

外壁材は桧材を採用いただき、グレー色を塗装。板張りの外壁の住宅が多く建ち並ぶ街なみに、自然と馴染む色合いに仕上げました。耐久面では杉赤身材に劣らない桧材。仕上げに一手間加えることで塗料の浸透性をよくしています。

 

室内の壁・天井には杉の羽目板を。表情豊かで色の個体差もある杉の源平材。大工さんが施工前に予め仮並べをし、材をどのように張っていくか木配りされたそうです。

 

人肌に近い、包容力のある空間。素材を上手に使ってくださった大工さんの心使いを感じます。
壁にもたれても、足触りからも、視覚からも。いたるところから感じる木のやさしさ。
丸山さんの細部までこだわられた設計と大工さんの技術によってつくられた、温かみたっぷりのお住まいです。

 

また、こちらの建築にかける思いを丸山弾さんご本人からお聞きしました。 こちらもどうぞご覧ください。

YouTube:

「丸山弾さんと行く!nojimoku仕上げのルームツアー見学【出張!のじもく酒場 新潟県編】」


撮影

Dan Maruyama

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