テナントビルの共有部分として、建物の中心に鎮座する半屋外の螺旋階段が特徴的な今物件。
その階段が各店舗へのアプローチとなっているのですが、構造体を担う螺旋階段を囲むRC打ちっ放しのR壁がそのまま店内へと入り込み、店舗の特徴的とも言える存在感を放っていたのです。
そのR壁に対し、RC打ちっ放しの素地そのままにして活かすことも考えたのですが、あえて普段の仕事でも多く使用する木材で見せることはできないかと模索した際、居酒屋らしく節有りの杉小幅羽目板を検討しましたがしっくり来ませんでした。そこで野地木材さんの桧のムジ・上小の羽目板をR面のため特注で対応して頂き採用させて頂きました。
店内からレストルームまで続く小幅板を張ったR壁、更にはカウンターにはタモの無垢一枚板を採用することにより、RC造の構造体でありながらも、木の温もりを感じられる柔らかい空間が構成され、酒場としてとても居心地の良い空間を構成してくれております。
お近くにいらした際は是非、上質な空間をお料理と共に舌鼓を打ちにお越しいただけましたら幸いです。(群栄美装 / 井野優一)