納入事例
家具設計のコンセプト
mesure(ムジュール)は、私たちが制作しているフルオーダーのカウンターキッチンです。
クライアントとの打ち合わせを経て、使いやすさと佇まいに日々感動していただけるキッチンを目指して、サイズ、形状、素材などを提案し制作しています。フルオーダーのため、設備を含めて様々なご要望に自在にお応えできますが、キッチンキャビネット本体や、引き出し内部の底板などには野地木材さんの杉板パネルをスタンダードな仕様としています。
内部構造に至るまで全て国産材というスペックを実現するために、これまでは巾接ぎ材を内製していたため工期とコストの管理に問題がありました。現在では野地木材さんのパネルを採用することで制作がスムースになり状況が改善しています。
ただしそうした内部事情の改善よりも喜ばしいのは、使う方が引き出しを開けたときの見た目の美しさや、ほのかに感じる杉の香りだと思っています。納得できる素材を探し求め、お客様にその価値を感じていただけることに感謝しています。
(atelier m4 Inc. / 前田大作)
使い手の声
・完全に自由に設計していただけることで非常に満足できるキッチンになりました。
・ステンレスのカウンターに無垢の木の質感が組み合わされて高級感がある。
・引き出しの中や、目に触れない部分にも国産杉材を使っていて、物作りの姿勢を信頼できました。
・引き出しを開けるたびに美しい杉の色と香りがあって癒されています。
・どのような料理をしたいか、どのように食事をしたいか、そんな話をしながらその場でデザインをしてくれるので、難しいイメージのあったオーダキッチンの打ち合わせが楽しい時間になりました。
・素材について、それを選ぶ理由や経年の変化とメンテナンスをしっかり教えてくれるのでわかりやすかった。
・日々の家事の流れの中で、キッチンを注文するときに考えていたことを思い出す時があります。食洗機を思い切って導入してよかった!
・引き出しに背の高い食器や調理器具を入れるところがあると便利と言われましたが、日々納得しています。
木材仕様
筐体、ドロワ全般(前板、底板、向板、仕切り板など)
杉 巾接ぎパネル 源平生節(埋木) 巾1000㎜×厚15㎜
戸板、扉板、幕板、包丁たて、仕切り板など
杉 巾接ぎパネル 小節(埋木) 巾960㎜×厚25㎜
元々は、長さ1820㎜×巾910㎜×厚み15~20㎜程度の大きさの巾接ぎ材を探されていて、また、コストは出来るだけ抑えたいとのことで、節などの欠点も大きすぎなければ良いという条件をいただきました。
そこで、小さな節が入り、抜け節には埋木処理を施している、杉の巾接ぎ材「のじもくまのパネル」(厚み25㎜)と普段は主に背板用に使われているパネル(厚み15㎜)をご提案。
パネル材は、造り付けの造作家具用の材料として、お部屋の空間の一部として目に見える場所に使っていただくことが多いのですが、今回はキッチンの扉だけでなく、外からは見えない引き出しの内部にも杉材を使用していただきました。
仕切り板や包丁立てなど、細やかな加工で杉の木目の美しさを引き出しいただいています。引き出しを開けた時の香りも相まって、キッチンに向かう気持ちをより高めてくれそうです。
今回は、オーダーキッチンという形で、国産材を使ったものづくりのお手伝いをさせていただけたことを大変嬉しく思っています。