日本の山と住まいをつくる

杉と桧と住まいをつくる

日本の山と住まいをつくる

におの浜の家

納入事例

コンセプト

「性能と意匠の両立をめざして」
この家は琵琶湖近くの総合展示場の中に建つ。

総合展示場の中の住宅は通りに向かって、方位に関係なく並んでいる。

まるで家電売り場の家電のように見えて以前からずっと違和感を感じていた。

今回、OMソーラーの加盟工務店のモデルハウスを設計するにあたり、いくつかの条件を出させていただいた。

 

1、総合展示場とは言え、方位に素直に普通の住宅のように配置する。

2、実験住宅として最新のOMソーラー(OMX)の新たな可能性を探る。

3、OMXの開発者でもある東大の前准教授にも参加してもらい、オールタイムリアルZEH(売電に頼らず24時間、365日、エネルギー完全自給住宅)を目指し、さらに温熱計画のアドバイザー兼計測をしていただく。

4、性能と意匠の両立、外部空間までも含めたこれからの環境のあり方を提案する。

 

上記四つの条件がそのまま設計のテーマとなった。

特に魅力的な空間を創り上げるときに貢献してくれたのが野地木材の小幅板風羽目板(杉赤身)である。高性能でありながら、柔らかな優しい空間となったと思う。

一般的に高気密・高断熱の家は窓をあまり開けないのだそうだ。

しかし、季節の良い時には開口を開け放ち、外部と繋がり、真夏や真冬は開口部を閉じると性能が発揮される・・・情緒と性能の両立を大事にしたいと思う。

この家は方位に素直に配置したので、温熱データの観測もでき、他の家と違って庭からもアプローチできる可愛らしい佇まいを持つことができた。

総合展示場でのモデルハウスのあり方、日本の高気密・高断熱のあり方に一石投じることができた仕事となったと感じている。(伊礼智設計室 / 伊礼智)

木材仕様

外部軒天・庇・外部壁・戸袋

杉 赤ム・上 巾120㎜×厚12㎜ ウッドロングエコ塗装

内部壁

杉 赤ム・上 巾120㎜×厚12㎜ ワトコオイル塗装

天井板

杉  小幅板風羽目板 赤ム・上 巾125㎜×厚12㎜(4本溝)

大津の住宅展示場にオープンした谷口工務店様のモデルハウス「におの浜の家」。
実際に現地を訪れました。
高性能住宅というと窓をあまり開けずに閉ざされた空間というイメージがありますが、伊礼さんが設計されたこの空間は窓が開放され、外との繋がりを感じることができ、木材など自然素材がふんだんに使われているのも相まって、家の中にいても思わず深呼吸したくなるような気持ちの良い空間でした。
また、開口部に様々な居場所がつくられていて、風を感じ、明るく清々しい場所や、逆に少し籠もれるような場所まで。心穏やかに過ごせる空間がいくつも散りばめられていました。
住まい手のコンディションによって居場所を変えられるのは、本当に豊かな暮らしだと実感。
今回小幅板風羽目板をはじめ杉材をたくさん使っていただきました。これらの経年変化がもたらす味わいの深まりも、楽しみのひとつです。

撮影

西川公朗写真事務所

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