納入事例
コンセプト
若いご夫婦、犬、猫が暮らす住宅です。
敷地は1980年代に丘陵地を宅地開発した段丘状の造成地の一画で、敷地南側には街路樹や庭が並び、緑豊かな環境が計画的に作られた郊外の住宅地です。
お施主さんからは広い庭で遊べること、開放的なLDK、子供の成長に合わせてコミュニケーションやプライバシーの確保がしやすい間取り、屋上、駐車場などの要望がありました。
そこでLDKには4畳半の小上がり程度の段差を連続させ、庭は緩やかな芝生の傾斜とすることで、プライバシー性を確保しつつ、街路樹を借景とした小さな丘のような場所を作り、それが屋上まで連続的に連なる開放的な空間を計画しました。
寄棟屋根が途中で垂直に切られたような形の断面に上品でさらっとした質感の檜を使うことで、庭に対してインテリアが表出するような空間を作り、緑豊かな町並みとも馴染む外観としています。
壁面上部は下見板張り、下部は縦張りに使い分けることで、立面的に屋根と壁が分節された表現としています。(岸本吉正設計事務所/岸本吉正)
木材仕様
外壁材
[下見板]桧 生節(埋木) 巾145㎜×厚19㎜ ヨロイ張り加工
キシラデコール塗装
[縦張り]桧 生節(埋木) 巾150㎜×厚15㎜ 本実突付サネ長タイプ
キシラデコール塗装
出隅材
桧 上小 キシラデコール塗装
ドア材
桧 ム・上 巾99㎜×厚10㎜ 本実突付加工
桧 ム・上 巾150㎜×厚10㎜ 本実突付加工
普段は杉赤身で作ることが多い外壁材。 今回は桧でオーダーいただき、下見板と縦張りを併用。規格の加工形状である2種類の外壁材を使っていただきました。 縦張りの方は板と板の継ぎ目に、施工性を考慮してエンドマッチを加工しています。 塗装色は2色を調合したものを使用。 調合の割合を指示いただき、実際にサンプルを作り確認いただいてから仕様をかためました。 耐久性を高めながら、桧の素地の風合いも感じる、きれいな色合いの外壁材ができあがりました。
撮影
山内 紀人