日本の山と住まいをつくる

杉と桧と住まいをつくる

日本の山と住まいをつくる

納入事例一覧

武蔵村山の家 リノベ

納入事例

コンセプト

緑豊かな谷あいに建つ築50年の和風住宅。造園家の若い家族が、この古き良さを活かしながら自分達らしい暮らしを楽しむためのリノベーション。古さから構造、設備、断熱、遮熱を考えることから計画が始まる。構造はフラット35リノベ耐震評価基準をもとに整えることができた。設備は老朽化のために水回り全てを改修する。既存の床・壁・天井には断熱材が入っていないため、室内改修工事の範囲で新たに設ける。断熱・遮熱の弱点となる開口部、この家のほとんどがアルミサッシ+内障子となっていたので、断熱・遮熱効果を期待して、このまま生かすこととした。建物の性能を整えながら新しい暮らしを支える建築空間を考える。

今までのプランは、食堂、台所は下がり壁によって北側の閉じた空間。南側の居間は本格的な和の閉じた空間。その2つの空間をおおらかに繋ぎたい。これまで大切にしていた和の空気感を損なうことが無いよう天井材を注意深く検討した。最終的に選んだ材料は、杉の赤み節ありの羽目板、取り付けは反り止めのノコ目の入った裏使いとした。赤み材が持つ落ち着きと深み、ノコ目から生まれた柔らかな表情によって、まるで何事もなかったように新しい場所となって、うまく繋ぐことが出来たと思う。

外構工事はこれから。造園家のご主人にバトンを渡し、コツコツとつくり込んでいく。これからは、古いものを活かし、新しいものへと繋がる仕事が、大切な時代になるような気がする。

(佐藤重徳建築設計事務所/佐藤重徳様)

木材仕様

天井材

杉 赤生節(埋木) 巾120㎜×厚12㎜ 木裏使い  

壁板

[キッチン壁板] 杉 赤生節(埋木) 巾120㎜×厚12㎜

 

通常の美しい仕上がりを持つ羽目板ではなく、少し荒々しさと表情に富むもの、既存の建物の雰囲気を引き継げるような天井板を検討されているとご相談いただきました。
いくつかの異なるサンプルを製作し、最終的には杉の赤身材を木裏使いすることに決定。 赤身で色味が揃い落ち着きを持ちながらも、裏面の溝をデザインとして活かすことで、表情豊かな印象を作り出しました。

撮影

相羽建設・広報部

(右6・9段目、左6段目:佐藤重徳建築設計事務所)

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