納入事例
コンセプト
「一過性のイベントではなく、日常の中の心地よいサウナ時間を提供したい」
クライアントからのご要望は、非日常の施設ではなく日々訪れたくなるサウナでした。
生活利便施設だからこそ、また来たいと思ってもらえるような特別性をシンプルにデザインすることを心掛け、人工物で構成される室内空間で、自然にいるときのような心地よさをどのようにインストールするかを模索しました。
JR神戸線高架下の区画内。高架を支える柱が8本も乱立する中で「森の中に分け入るような」空間体験ができるよう、柱を避けながら、あえて最も距離が長くなるような動線を導きました。
エントランス・脱衣・サウナ・休息エリアと、4つの空間を移動していくことで、徐々に心の深い部分へ分け入っていく、というプランです。
森の芳香を放つ桧の小幅板風羽目板、吸放質効果の高い栃木産大谷石、美しい深緑色の御影石、陰影深い土壁調左官材など、身体に馴染む自然素材をふんだんに用い、明暗に配慮した照明計画、吐水する水音と天井に映る水影、ファンからの緩やかな空気の流速などで“自然の揺らぎ”を表現し、サウナにおける瞑想状態と寄り添うような空間を目指しました。(スウィング/ 金山大 熊澤花絵)
木材仕様
壁板
桧 小幅板風羽目板 ム・上 巾100㎜×厚12㎜ (3本溝)
家具用材
桧 のじもくまのパネル(巾接ぎパネル)
香りと肌触りが心地よい、桧材をふんだんに使っていただいたサウナ。 リズミカルな質感を持つ小幅板風羽目板と合わせ、造作材として桧の巾接ぎパネルを使っていただきました。
お店に入った瞬間から、森林浴をしているように広がる桧の香りと空気感。素材の統一により“ととのう空間”にふさわしい上質さと落ち着きが感じられます。 また、表面にスリットが入った小幅板風羽目板は吸湿性にも優れているので、全体的に清潔感が漂います。
心身ともに癒されたい場所だからこそ、自然素材の優しさと温もりを。何度も通いたくなるような、心地よさそうな空間です。
撮影
張田亜美