納入事例
コンセプト
既存の本棚を残しつつコンパクトな矩形平面の店内を緩やかに分ける装置を挿入。
材料はnojimokuで作られる上質なヒノキ幅接ぎ材で、以前より蔵書を増やした本棚としての役割も果たす。素材の既成寸法幅、使い勝手、構造としての成り立ちを総合的に考慮して柱、梁、棚、机が一体となるように設計した。新たな動線やコミュニケーションをうながし、「家具」以上「建築」未満として店に寄り添う柔らかい装置となった。無垢材はどこまで削っても嘘偽りない物質性を担保している素材で頻繁に採用している。
ヒノキという樹種を採用したのは隣の外宮さんとの親和性を意識しつつも、無垢材のもつ誠実さが空間に作用すると信じているからだ。
また、伐採適齢期をすぎた木は CO2 吸収能力がなくなること、良質な材料が使われなければ山の循環や林業家たちのモチベーション維持が困難であることを製材所の方から聞いている。
微々たる貢献であれ、地域社会の引き継ぎにも関与している空間が散策舎の選書をさらに引き立たせることを願っている。
(湯谷建築設計 / 湯谷紘介)
木材仕様
棚材・方立・カウンター材
桧 のじもくまのパネル(巾接ぎパネル) 小節(埋木)
桧の巾接ぎパネルを、棚材やカウンター材、方立に使っていただきました。
無垢材ならではの風合いと機能性を両立させた巾接ぎパネル。
伊勢という土地柄にぴったりな桧を選んでいただきました。
外宮駅からすぐ近く、オーナーさんセレクトのこだわりの本がたくさん並ぶ楽しいお店です。
伊勢に行かれた際は、ぜひ遊びに行ってみてください!
[散策舎]
撮影
ToLoLo Studio