納入事例
コンセプト
お子さんが生まれ、賃貸で住んでいるところが狭く感じる、お子さんが安全に歩き回れる家でない、暑さ寒さが快適でないなど、そして家族で熊野に家を持ちたいということから、家づくりを考えられるようになり、中古の戸建て住宅を購入して、リフォームしたいと、お話をいただいた。
購入前に、物件の構造の状態、白アリ等の状態、近隣環境、建物のボリューム、そしてリフォームで間取り変更ができるかなどを一緒に見に行き、検討し、購入に至った。
【現状の課題】
・和室2間続きで、暗く感じる。
・2階は子供部屋を増築したこともあり、部屋を介する動線。
・築45年、耐震診断を受けると「倒壊の恐れあり」との判定。安全性を確保したい。
・外壁や瓦等が劣化している。
・水回りも劣化しているので、新しくしたい。
・断熱材が不十分で、温熱環境が不安。
これらの課題を受けて、まず①耐震補強すること、②必要な断熱材等を入れ、断熱性を高めることを計画。(※①②について、基準をクリアし、補助金事業にも取り組んだ。)
間取りについては、改築の為、物理的な面積広さは変えられないが、なるべく視線が飛ぶよう、1階の2間の和室とDK、廊下の間仕切りを取っ払い、家族みんなが集まれ、キッチンからLDにいる家族へ目が届くよう一体空間とした。また、道路向かいに集合住宅が建っていることから、外からの視線を感じず過ごせるように、元広縁だったところをランドリースペースとし、そこから障子を介して間接的な光を取り込む工夫をした。
動線については、玄関からランドリースペース、LDK、水回りと、心地よく回遊できる家にした。外観については、外壁材が老朽化していたこともあり、今回は、古い町並みになじむ木の外壁とした。
リビングの天井には、「HInokinoHI」の試作品を施工し、床には、桧の小幅の床材を採用し、桧というと、和のイメージが強いが、桧のほんのりピンク色の床と天井が、愛らしい空間の演出にもなった。「HInokinoHI」の凹凸が天井に陰影をもたらし、空間にリズムを付けてくれた。強いご要望もあり、リビングには、薪ストーブも取り付けた。
冬、外が寒い時期でも、火のゆらぎを眺めながら、木に囲まれた空間で、暖かく過ごしていただけているだろう。(ノジモク設計室 / 濱田直子)
住まい手の声
2月の冬の時期でも朝起きた時の室内は寒くなく、バタバタと家事をこなしていると、薪ストーブをつけるのが夕方になっているほど(笑)、温かい住まいに満足しています。
桧の床板の肌触りの良さは子供が一番気に入っていて、常に裸足で過ごし、回遊できる広々とした空間を駆け回っています。
木材仕様
構造材・端柄材
杉 桧
造作材
杉 源平上小、桧 上小
階段材
杉 源平上小
造作家具用材
杉 のじもくまのパネル(巾接ぎパネル)
床板
[1階]桧 ム・上 巾65㎜×厚15㎜ 蜜ロウ・ワックス塗装
[2階]杉 源平ム・上 巾105㎜×厚15㎜ 蜜ロウ・ワックス塗装
天井板
[1階]桧 HInokinoHI ム・上 巾120㎜×厚15㎜
[2階]杉 源平ム・上 巾150㎜×厚15㎜
建具用板材
杉 源平ムジ 巾105㎜×厚12㎜ 両面化粧 両面突付加工
軒天材
杉 源平生節(埋木) 巾150㎜×厚12㎜ 本実突付サネ長タイプ 粗仕上げ
外壁材
杉 源平生節(埋木) 巾150㎜×厚12㎜ 本実突付サネ長タイプ 粗仕上げ
ノンロット塗装