納入事例
コンセプト
コンパクトでシンプルな間取りだけど、「豊かに暮らす家」をコンセプトに設計しました。
三重県熊野市に位置し、立地は日当たり良好ではありましたが、南側道路のため、南側に開口を思いっきり開けると道路からの視線が気になる・・・そこで、家の中から外からの視線を気にせず開けられるよう窓を配置し、内障子をつけ、柔らかな光を取り込む工夫をしました。また、LDKに接し回遊できるウッドデッキと木塀を設け、家の中に外部のデッキ空間を視覚的に取り込みました。
外観については、「平屋のような暮らしがしたい」というご要望もあり、地元の桧と杉、そして壁には、居室の天井高を低くし、登垂木を採用し、大屋根とし、建物全体の高さもおさえた外観にしました。
材については、構造材は熊野桧と杉。「体にも優しい素材選びがしたい」というご要望もあり、内装については、床や天井には杉、壁には塗り壁を採用しました。杉については、柔らかい手触り、温かみを感じる点から選択しました。また造作家具等も杉のパネル等を使って作りました。外壁にも木を採用し、桧の赤生節(埋木)の板に、外部保護塗料を塗りました。いずれも体にも優しく、そして長く暮らす家の経年変化を家族共に感じられる素材をえらびました。(ノジモク設計室 / 濱田直子)
住まい手の声
今年の夏で完成してから3年になります。今振り返ってみて、設計期間も、じっくり話を聞いてもらえたので、長かったとは思いませんでした。自分たちの中でも、「家」について考え、向き合う時間がもらえたので。
家が完成した当初玄関を開けるたびに、すごく木の香りがしました。私達は鼻がもう慣れてしまいましたが、いまだに訪問した人は「木のいい香りがしますね。」と言ってくれます。
以前住んでいた借家では、冬にスリッパを履いていても底冷えがし、冷え性に悩まされていました。今の家は、杉の床が温かく感じられるので、冬でもスリッパを履かずに生活しています。以前の家では、毎シーズン風邪をひいていましたが、今の家になってから、そういえば風邪もひいていないですね。
提案してもらった薪ストーブも、入れてよかったです。薪ストーブの温かさが杉の床にも伝わり、心地いいです。薪ストーブについて、初めての扱いなので、最初は少し不安もありましたが、夫婦ふたりとも薪ストーブの木をくべることが毎シーズン冬の季節の楽しみになりました。
杉の床は、やっぱり傷がつきますね。物を落としてつけてしまった傷は、そのときはショックでしたが、木は木なので、あまり目立たず、今ではいい思い出になってます。
収納については、設計時から収納計画もしてもらい、造作で作ってもらったので、置き家具を買い足すことなく、すっきり生活ができています。その家具の天板や扉も自分達で塗装をしたので、愛着があります。
暮らし方で大きく変わった自覚はないですが、シーズンで薪ストーブのグッズや、より快適に過ごすために、サーキュレータや加湿器を導入してみたり、生活の工夫を楽しみながら、穏やかに暮らしています。
木材仕様
構造材・端柄材
杉 桧
造作材
杉 源平上小、桧 上小
階段材
桧 上小
造作家具用材
杉 のじもくまのパネル(巾接ぎパネル)
床板
[1階]杉 源平生節(埋木) 巾105㎜×厚15㎜ プラネット塗装
[2階]杉 源平生節(埋木)巾150㎜×厚30㎜ プラネット塗装
化粧野地板・天井板
杉 源平生節(埋木)巾150㎜×厚30㎜
軒天材
杉 赤生節(埋木) 巾120㎜×厚12㎜
外壁材
桧 赤生節(埋木) 巾120㎜×厚12㎜ 本実突付サネ長タイプ シッケンズ塗装
デッキ材
桧 生節(埋木) 巾120㎜×厚30㎜
塀材
桧 生節(埋木) 巾120㎜×厚30㎜
現しの登り梁は、特一材でありながらきれいな空間になるよう配置に拘り木配りをしました。
外壁材は、外部といえば杉の赤身というイメージですが、今回は桧材を使っていただき、塗装がよく浸透するよう表面を通常よりも粗く仕上げ、塗装しました。
造作家具の素材は、杉の巾はぎ材「のじもくまのパネル」。160巾の板を貼り合わせて製作しているもので、自然素材の空間の中で浮かないよう、できる限り無垢材に近づけた巾接ぎ材です。
階段下のスタディーコーナーのカウンターは杉材ですが、着色の塗装をすることで、広葉樹のような雰囲気が出て空間がひきしまり、同じ樹種でも塗装をすることでまた使い方の幅が広がると感じました。