納入事例
コンセプト
家を設計する時に、「家の中と外を繋げたい」という思いがふつふつと湧いてくる事がよくあります。この土地もまさに、そんな思いに駆られるような空の美しい土地でした。
住まい手が日々の暮らしの中で、自然と空へと視線が誘われるような仕掛けをこの建築には施した方がいいと、土地と空がひそひそと囁いているように思われ、「空への仕掛け」を建築として形にしました。
平屋建ての構成ではあるものの、L型平面の一部の屋根を高くすることで、ダイニングの空間は高天井とし、そこに高窓を設置すると、室内から空を眺める開口部ができます。この開口部の内部と外部の天井の仕上げを同材にすることで、より効果的な「空への仕掛け」が実現できるような設計をしています。(ベガハウス / 谷征紀)
住まい手の声
お施主様も⼤変気に⼊った様⼦で「ソファに座ってHInokinoHIを眺めながらゆっくり過ごす時間が好きです」と仰っています。
木材仕様
天井板・軒天
桧 HInokinoHI ム・上 巾120㎜×厚15㎜ (粗仕上げ)
ベガハウス様と共同開発した桧の羽目板「HInokinoHI」を天井板に使っていただきました。
桧の板に凹凸加工を施したもので、今回は凸部分が「粗木のまま」という仕上がり。
帯鋸の跡も、しっかりそのまま。
この製材の余韻を感じるガサガサ感は味わい深く、独自の存在感を放ちます。
凹凸の天井が生み出す陰影とリズム、そして桧の香り。
これらに包まれた空間はとても心地よく、経年変化とともに飴色になっていく様子も楽しみな製品です。
撮影
島崎智成写真映像事務所